2011年08月06日

君の彼女が観た映画。

コストコで買い物をしていたら若いカップルの会話が聞こえてきました。彼氏は物静かでカッコいいタイプ。彼女は不思議の国のアリスみたいな服装の不思議な娘。

彼女「これすっごくデカイね」

見ると彼女は売り場に並んでいた調理用油の入った一斗缶を指差しています。

彼氏「うん。何リットルだろね」
彼女「これってあれだよね。ハリウッドのだよね」
彼氏「ハリウッドって?」
彼女「ほら、ハリウッドの映画で良く出てくるよね」
彼氏「ハリウッドの映画? 何の映画?」
彼女「何の映画ってことはないんだけど、結構頻度高いよ」
彼氏「そうかな。言うほどこんな缶見ないけど」
彼女「見るよー。良くハリウッドの映画で、上から落ちてきて主人公とかが頭打ったりするよー」
彼氏「それ何の映画?」
彼女「何のって、アクション」
彼氏「アクション? スティーブン・セガールとか?」
彼女「誰?」
彼氏「ほら、沈黙のコックとか」
僕「ふひ♪」

僕は堪えきれずに小さく笑いました。

彼女「あー、うん。沈黙のコックとか」
僕「ふひ♪」

沈黙のコックという映画のタイトルは僕の心を鷲掴みにしました。

彼氏「でもこんな缶のシーンとかあったっけ?」
彼女「あったよ。頭の上にこれが落ちてきて、おでこ切っちゃうみたいな」
彼氏「え? 誰が?」
彼女「だからその主人公の人が。おでこ。血とかタラタラ〜って」
彼氏「沈黙のコックが?」
彼女「そうそう。それで目に血とか入って見えないーって慌ててるところに敵のテロリストみたいなのが後ろから来て…」
僕の頭の中の声「志村うしろうしろー」
彼女「そしたら偶然そのテロの人にも缶が落ちてきて…」
僕の頭の中の声「ダメだこりゃ、次いってみよう!」
彼女「危なかったーみたいな。分かるでしょ?」
彼氏「んー。正直、沈黙のコックとか内容半分も覚えてないから」
僕の脳内「もうまずタイトルが半分やん」
彼氏「あ、でもキッチンとかでそういうのあった?」
彼女「そうそう。キッチンって言うか倉庫っぽいとことかで」
彼氏「倉庫? 船の?」
彼女「船? うーん山小屋」
彼氏「山小屋? 船でなく?」
彼女「うん、船は忘れて」
彼氏「それスティーブンセガール?」
彼女「スティーブンセガールも忘れて」
彼氏「え? 沈黙のコックじゃないの?」
彼女「あー、沈黙みたいな二字熟語でなくて、もっとカタカナの」
彼氏「もっとカタカナ?」
彼女「ふふふ ふふふふみたいな」
彼氏「ふふふ ふふふふ? 死霊のはらわた?」
僕の頭の中の声「絶対違うやん! ホラーやん! そして漢字やん! 漢字とひらがなやん!」
彼女「もっとアクション映画だって」
彼氏「アクション。ランボーとか?」
彼女「もうちょっと長め。ふふふ ふふふふ」
彼氏「ランボー怒りのアフガン?」
僕の頭の中の声「サブタイトルつけた」
彼女「ランボーじゃなくて、もうちょっと家族想いの」
彼氏「家族想い? あ、あれか。地球壊れる的な?」
彼女「壊れない壊れない」
彼氏「え? 壊れないの? 隕石じゃないの?」
彼女「隕石でてこないよ。ふふふ ふふふふ ふふみたいな感じの」
僕の頭の中の声「増えた。『ふ』2つ増えた」
彼氏「ターミネーター2?」
彼女「違う」
彼氏「バックトゥーザフューチャー2?」
彼女「違う。もっとアクション」
彼氏「あ、アクションか。ダイ・ハード2?」
彼女「なんで2ばっかなの」
僕の頭の中の声「ふふふ ふふふふ ふふの最後のふふの響きがツーだから」
彼氏「ふふふ ふふふふ ふふでしょ? ふふってツーっぽくない?」
彼女「ツーじゃないツーじゃない。もっとB級だから。まぁもういいよ」
僕の頭の中の声「よくないよくない。教えなさいよ」
彼氏「あ。この紅茶この前に来たとき売切れてたのに」
僕の頭の中の声「紅茶はいいから」
彼女「あ。本当だー」
僕の頭の中の声「紅茶のことはいいから」
彼氏「買っとこうか」
彼女「うん。お姉さんにも持って行くから3パック」
彼氏「あと何だっけ?」
僕の頭の中の声「いや、だから映画」
彼女「ベーグル」
僕の頭の中の声「ベーグルはいいから」
彼氏「でもこの間のジャムもさー…」
僕の頭の中の声「ジャムはいいからー! 映画ー! 何の映画やねーん! 」
彼女「甘すぎたよねー」
僕の頭の中の声「ジャムの感想はいいからー! 一斗缶が頭に落ちてきて主人公が頭打って血が目に入って敵のテロリストが後ろから襲いかかってくるハリウッド映画って何ー!」
彼氏「チーズとはあわないよね」
僕の頭の中の声「ジャムとチーズの相性はいいからー! 帰ってこーい! 誰かー! 気になるよー! 一斗缶が頭に落ちてきて主人公が頭打って血が目に入って敵のテロリストが後ろから襲いかかってくるハリウッド映画って何ー!」

買い物を楽しみながら僕の好奇心をもてあそんだ2人の背中を僕は静かに見送りました。








posted by 奈須 崇 at 23:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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